活動方針
  活動経過(1)5月25日 講演会「本州以南のアイヌ語起源の地名について」
      (2)8月30日 シンポジウム テーマ:「現代人権教育の課題」
      (3)11月30日 研究会 テーマ:「日本のヘイトクライムと人権教育」
      (4)3月8日 研究会:講演・発題と討論「現代人権教育の課題」
      (5)2014年度 活動まとめ

活動方針

2014年度 活動方針
1. 総会を開催するに当って
 全国大学人権教育交流会は、全国の大学で人権教育について実践している方々の交流の場として2002年に創設されました。それから10年の間、毎年3回以上の交流や学習の場を進めてまいりました。そして、2012年5月20日に、財政基盤の確立、そして大学関係者と人権教育に関心のある方がたとの幅広い交流を目指して組織化し、設立するための総会を開催しました。また、事務局を関西学院大学人権教育室に置き、組織的な運営が可能となりました。
 昨年は、4回の、研究会または研究集会を開催することができました。そして、初めて会員発表会を実施し、ホームページを開設しました。皆様の協力の下、ここに2013年度の総会を迎えることが出来ました。
 国内外の人権課題は山積しているだけではなく、多岐にわたって課題として取り組まれるようになってきました。他方、人権そのものの内容についても、一人ひとりが考え、向き合うことがより重要となってきました。その中にあって、本会は、人権教育のこれまでの蓄積を生かしながら、新しい人権教育の創造を目指して活動していきたいと考えています。

2. 2014年度 活動方針
1.活動方針
(1)本会はこれまで、人権教育についての、従来の取り組みの再構築、隠れた課題や方法の引き上げ、新たな課題や方法の構築、これら3つの視点を底流において活動してきた。2014年度においても、この活動方針を基本において、人権教育の構築を目指していく。
(2)これまで本会に協力したいただいた個人や団体との一層の連携と、人権教育に関心をもつ、個々人、各団体との新たなネットワークの拡大を目指す。ホームページの積極的な活用と、研究会等の開催について、協力や共催等の方法も考慮に入れていく。
(3)情報発信活動
・ホームページ等による情報の発信
今年はこの課題をより進めるようにしていく。
・会員の相互の意見交換にも取り組みたい。
2.活動計画
5月25日(日) 総会と講演会
        関西学院大学大阪梅田キャンパス 
 月 日    未定
12月      未定
3月      未定(教育実践の交流と会員の発表等)

5月25日 講演

5月25日 講演会の報告

【案内文】2014.5.25加藤さん、永田さんの講演会のお知らせの詳細LinkIcon

テーマ:本州以南のアイヌ語起源の地名について
<概要>おそらく日本の大学の関係者の組織で、このようなテーマを掲げるのは、これが嚆矢の一つであるかもしれません。それほどに本州以南のアイヌ語地名については、固まった予断によって(濃厚な差別意識によって)、厳しく峻拒されてきました。アイヌ語地名の問題は単に地名にとどまらず、日本文化・日本語の基層と根本にかかわる問題であると思われます。また、この問題の解明は、これまで曖昧・不明な世界からはっきりした系譜を描いて、真実の日本の風景を現出させることになると思われます。

  ○開催日  : 2014年5月25日(日) 13:30~17:00
  ○場 所 : 関西学院大学大阪梅田キャンパス K.G.ハブスクエア 1003教室

加藤 昌彦 さん(関西外国語大学)
「全国の『平』地名、および本州以南のアイヌ語起源の地名の研究の歩みについて」
「平」という日本漢字は、どのような漢和・日本語辞典で調べてみても、「平ら」の意味しか出てこず、絶対に崖や急傾斜地の意味は掲載されていません。しかし、「平」や「ひら」の音韻のつく地名に行くと、平らな所は半数にも満たず、多くは崖であり、急傾斜が見られます。この疑問に突き動かされて、東京都・大阪府・福岡県・福山市・神戸市・大津市全域160箇所を歩きました。その調査結果を報告します。
そして後半は、本州以南のアイヌ語地名の研究の歩みについて報告します。これらの研究の主人公は、多く大学の研究者ではなく、民間の研究者です。戦前より、長く厚い蓄積があります。その全貌については研究当事者自身によってもあまり知られていません。大多数が埋もれています。今回、その研究の歩みで判明した部分を紹介します。

田 良茂 さん(アイヌ語地名研究者)
日本列島にあるアイヌ語起源地名について
永田さんは1968年三菱電機に入社され、システムエンジニアとして20数件の特許を取得。2002年退社後、古代史、歴史地名、日本語起源、アイヌ語・アイヌ民族等の研究に没頭されている。著作に、『古代人の心で地名を読む』(2001年 友月書房刊 B5版 240頁)、『古代人の心で山名を読む』(2004年 友月書房刊 B5版 274頁)『日本語の起源とアイヌ語』(2009年 友月書房刊 B5版 300頁)を上梓されている。現代の本州のアイヌ語地名研究者の3人のうちに入られる研究者である。
今回は①縄文人・縄文語をどう位置づけるか、②日本列島全域に存在するアイヌ語地名用語について、③アイヌの自然観と、日本各地にあるアイヌ語人体語地名について紹介されます。

【講演会の様子】

DSC02243.jpg加藤昌彦さんDSC02255.jpg永田良茂さんDSC02256.JPG風  景

8月30日シンポジウム

8月30日(土)シンポジウムの報告

【案内文】2014.8.30 シンポジウムの案内文LinkIcon

テーマ:現代人教育の課題

<概要>現代は教育にかぎらず、読み解きがたい状況が四辺に存在しています。「ヘイトスピーチ」に突出されるような問題はかつて未聞でありました。縮小する人権教育、深刻化する子どもの貧困化のなかで、私たちがどのように人権教育を守り広げていくのかが、問われています。パネラーの方々と一緒に、深めていきたいと思います。

○開 催 日:2014年8月30日(土)
○場  所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1405教室

報告1.「変化する子どもの環境と人権教育の課題」
園田 雅春さん(大阪成蹊大学教授)
高槻市立小学校教諭、大阪教育大学教授、大阪教育大学附属小学校校長(兼任)を経て本年4月より大阪成蹊大学教授。学級文化研究会主宰。著書に『自尊感情を高める学級づくりと授業』(雲母書房 2013年)、『いま「学級革命」から得られるもの』(明治図書 2010年)など多数。共著に『シティズンシップへの教育』(新曜社 2010年)など。

報告2.「大学における今日的な人権教育の役割と課題~好感・共感・親近感を育てる人権教育」
明石 一朗さん(関西外国語大学短大部教授)
母校で初任校でもある大阪府貝塚市立東小学校で教師となり、小学校の学校長等を経て現在は関西外国語大学で教員養成等の人材育成に力を注ぐ。小学校現場から大学まで、また、全国同和教育研究協議会や大阪府教育委員会等を通じて人権教育に長年携わり、子どもの見方、接し方、叱り方、心のつかみ方、家庭や地域の教育力など、今日の子どもをめぐる教育課題や同和問題をはじめとした人権問題について語る。主な著書に、『大阪の先生は元気です!』(近畿出版印刷 2013年)、『心の窓を少し拓いて』(近畿出版印刷 2012年)、『子どもは毎日が旬』(解放出版社 2009年)などがある。

報告3.「生きていくための短歌~定時制高校から見た日本」
南 悟(さとる)さん(関西大学非常勤講師)
1946年生まれ。1974年より兵庫工業・神戸工業(定時制)教員。著書に『定時制高校 青春の歌』(岩波ブックレット)『ニッカポッカの歌~定時制高校の青春』(解放出版社)『はるかなる波濤~「同化」へのあらがい、在日の意味を』(明治図書)『生きていくための短歌』(岩波ジュニア新書)などがある

報告4.「幅広く豊かな人権教育の創造を」
中村 衛(まもる)さん(全国人権教育研究協議会副理事長・奈良県上牧小学校長)
1956年生まれ。現在、奈良県人権教育研究協議会会長。全国人権教育研究協議会副理事長、奈良県上牧小学校長。

質問と討論

【シンポジウムの様子】

DSC02709.JPG園田雅春さんDSC02718.JPG明石一朗さんDSC02724.JPG南悟さんDSC02710.JPG

11月30日 研究会

11月30日 研究会の報告

【案内文】2014.11.30 研究会 の案内文LinkIcon

テーマ:日本のヘイトクライムと人権教育

<概要>差別・脅迫・殺人扇動が日本に跋扈し、黙認されています。事態を重視した国連人権差別撤廃委員会は、本年8月末にヘイトスピーチを行う個人や団体について、「捜査を行い、必要な場合には起訴すべきである」と日本政府に勧告しました。人権には「表現の自由」はあっても、表現の暴力の自由はあってはなりません。進行形の実態とともに、マイノリティー民族のアイデンティティーを育む教育について、皆で考えていきたいと思います。積極的なご参加を期待しています。。

○開 催 日:2014年11月30日(日)
○場  所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1003教室

開会・ヘイトスピーチの映像上映

報告1.「日本の『ヘイトクライム』-京都朝鮮学校襲撃事件について
中村 一成(ナカムライルソン)さん(ジャーナリスト)
1969年生まれ。毎日新聞社を経て現在、フリー。在日朝鮮人や移住労働者、難民を取り巻く問題や、死刑を主なテーマとしている。著書に『声を刻む 在日無年金訴訟を巡る人びと』(インパクト出版会 2005年)、『なぜ、いまヘイトスピーチなのか――差別、暴力、脅迫、迫害』(共著 前田朗編 三一書房 2013年)、『ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件』(岩波書店 2014年)は徹底した細かな取材と自身をも内面から抉った力作。

報告2.「民族教育権について-戦後の『在日』の教育史の中から
李月順(リウォルスン)さん(関西大学講師)
1954年生まれ。在日3世。関西大学非常勤講師。「民族教育ネットワーク」代表。在日朝鮮人教育、在日外国人教育、多文化教育等を研究。2004年にアプロ女性実態調査プロジェクト「在日朝鮮人女性実態調査」に取り組む。『在日朝鮮人の民族教育と在日朝鮮人教育』(朴鐘鳴編著『在日朝鮮人の歴史と文化』明石書店 2006年)、『朝鮮人学校における朝鮮語教育―バイリンガル教育の視点から』、『名のりからみたマイノリティー教員としての意識化』など論文多数を執筆。

討論


【シンポジウムの様子】

DSC02971 - バージョン 2.JPG中村一成さんDSC02974 - バージョン 2.JPG李月順さんDSC02983.JPGDSC02973.JPG

3月8日 研究会

3月8日 研究会の報告

【案内文】2015.3.8 研究会 の案内文LinkIcon
○開 催 日:2015年3月8日(日)
○場  所:関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1405教室

第1部: 講演「私が出会った部落の芸能 パート2」

講演者:太田恭治さん(“あとりえ西浜”主宰、花園大学非常勤講師)

<概要>被差別者のなりわいは、日本文化の伝統の根幹にかかわり、能・狂言・歌舞伎・浄瑠璃・音曲をはじめ、あらゆる分野に及んでいる。現在もなお、旅回りの劇団を含め民間芸能の基底を形成している。太田さんには多様な被差別部落の芸能の過去と現在について、2013年12月に同じ演題でお話しいただきましたが、今回はその後半をしていただきます。

講演者紹介
1948年生まれ。元差別とたたかう文化会議事務局(1978年)、元人権博物館学芸員(~2009年)。現在、“あとりえ西浜”主宰、花園大学非常勤講師。専門は被差別部落の文化。

第Ⅱ部: 発題と討論「現代人権教育の課題」

<概要>今日の人権教育は、どのような位置にあるでしょうか。2002年の同和対策法の期限切れ以降、小中高の人権教育は大きく後退しています。日本社会全体の悪化の象徴はヘイトスピーチに鋭く現れています。教育現場は、子どもの貧困・学級崩壊・いじめ・体罰問題・教育格差の拡大やLGBTの課題など山積しています。この中で政府は、子どもたちを支える生活と教育条件をつくることをしないで、教科にしてはならない道徳を教科にしようとしています。日本の人権教育は、新しい諸問題に対してどう対応していくかが問われています。今回の研究会は、お二人の方に人権教育の課題を発題していただき、その後、全体で問題を煮詰めていきたいと考えています。よろしくご参加ください。

1.「道徳教育と人権教育」

発題者:森 実さん(大阪教育大学教職教育研究センター教授)

発題者紹介
1955年生まれ。1980年、大学院生時代に『「同和教育」論ノート』(解放出版社)を他の学生たちとともに編集出版。1990年頃より国際的な課題に関心を寄せ、ECPAT関西の活動を通して子ども買春問題などに取り組む。現在の主な研究テーマは、同和教育・人権教育・識字教育・社会教育。大学では、部落問題概論や人権教育論などを担当。部落問題をはじめ、さまざまな社会的・政治的な課題を個々人が自らの問題として考えるようになるプロセスに関心を持つ。2012年まで雑誌『解放教育』の編集を担当。おもな著書に『「教室の人権教育」何が実践課題か』(明治図書)、共著に『同和教育への招待』(解放出版社)、『知っていますか?人権教育一問一答』(解放出版社)、『知っていますか?同和教育一問一答』(解放出版社)、共編著に『シリーズ解放教育の争点』(明治図書)などがある。

2.「学校の荒れを人権教育の視点から克服する」

発題者:杉尾 誠さん(堺市立浅香山小学校首席教諭)

発題者紹介
大阪府堺市生まれ。関西大学大学院博士前期課程(教育学専修)修了。現在、堺市立新浅香山小学校首席教諭、大阪府小学校国語科教育研究会理事。堺市では、戦後60数年にわたって公立小学校の児童による詩・作文・書・絵画の作品を毎月、「はとぶえ」という機関誌に掲載している、全国的に稀有な教育活動をおこなっている。そうした堺の教育基盤のなかに人権教育がある。ある荒れていた学校を当時の校長が先頭に立って克服する取り組みをおこない、学力向上も達成する実績をあげた。杉尾さんはその後も首席教諭として全力投球している。子どもの自尊感情を育てることを最も大切にしている教育者である。関西大学などの授業にゲストスピーカーとして招かれるなど、幅広い教育活動をおこなっている。

【研究会の様子】

IMG_1803.JPG太田恭治さんIMG_1798.JPG森実さんIMG_1787.JPG杉尾誠さん

IMG_1771.JPGIMG_1765.JPG懇親会の後、記念撮影(今春中学校と高校に新規採用される若いお二人も参加)

2014年度活動まとめ

活動報告

1. 活動内容

昨年5月25日、関西学院大学大阪梅田キャンパス1003号教室で11時より1時間、総会を開催しました。出水正一さんの議長のもとで、2013年度の活動報告を日野謙一さん、会計報告を加藤昌彦さん、会計監査報告を中島智枝子さんが行いました。その中で、2006年度、そして2008年~2013年度まで7年間、本会代表を務めてくださった日野謙一さんが個人の事情で辞められ、加藤昌彦さんが交代することになりました。2014年度の活動方針を加藤昌彦さんが行い、予算案の提案を鍛冶 彰さんが行いました。そして、世話人の選出と役割分担について等の議案を討議し、会員の了承を得ました。

 昨年度は4回にわたる講演会、研究会、シンポジウム、発題と討論を開催しました。以下、その活動内容を報告します。

 第36回の企画は5月25日、総会後の午後より、講演会「本州以南のアイヌ語起源の地名について」を実施しました。本州以南でこのテーマが正面に掲げられた会は稀有なものです。この問題は日本の歴史・文化・言語の基礎と根源的に関わる問題です。長きにわたる厳しい差別と予断のために、この領域の研究成果の流布が非常に遅れています。まず、「全国の『平』地名、および本州以南のアイヌ語起源の地名の研究の歩みについて」を加藤昌彦さん(関西外国語大学)が話されました。「平」が付く地名が「平」という漢字から想像もできない崖地で、それが多数をしめる、その不思議に彷徨い、日本地名を探っていったことや、日本列島のアイヌ語地名を研究した先人の研究の大きな蓄積について述べられました。ついで「日本列島にあるアイヌ語起源地名について」を永田良茂さん(アイヌ語地名研究者)が話されました。縄文人・縄文語とは何か、日本の地名に出てくる、アイヌ語の人体語地名など幅広く話されました。
 第37回のシンポジウムは8月30日、関西学院大学大阪梅田キャンパス1405号教室で行いました。下橋邦彦さん(大和大学専任教員)の司会のもとで、「シンポジウム 現代人権教育の課題」を25名の参加を得て、縮小する人権教育、深刻化する子どもの貧困の中で、人権教育をどのように守り広げていくかについて考えました。報告1として、午前11時から12時30分まで、「変化する子どもの環境と人権教育の課題」を園田雅春さん(大阪成蹊大学教授)に話していただきました。自尊感情の集団的形成、学級づくりの重要性などを話されました。午後には報告2として「大学における今日的な人権教育の役割と課題~好感・共感・親近感を育てる」を明石一朗さん(関西外国語大学短大部教授)に話していただきました。明石さんの少年時代の差別体験や、大阪の子どもの生活条件の悪さ、出会い・触れ合いが多い子どもほど偏見が少ないことなど多面に話して下さいました。報告3として「生きていくための短歌~定時制高校から見た日本」を南 悟さん(関西大学非常勤講師)に話していただきました。日本社会の底辺で、厳しい環境で生き学ぶ夜間高校生の生活実態と、励まし続ける教員やまわりの姿を学ばせてもらいました。報告4として「幅広く豊かな人権教育の創造を」を中村 衛(まもる)さん(全国人権教育研究協議会副理事長・奈良県上牧小学校長)に話していただきました。15歳の3割が孤独感を感じる日本の少年の異常な高さ。その中で人権教育・同和教育は低下してきており、地域から創造する教材作成も低下してきていること、文科省の2013年「人権教育の推進に関する取組状況の調査結果」について詳細に解説してくださいました。シンポジウムでは終始、熱心に意見が交わされました。
 第38回の研究会は11月30日の午後1時か5時まで、関西学院大学大阪梅田キャンパス1003号教室で行いました。テーマは「日本のヘイトクライムと人権教育」で、21名の参加者のもと、鍛冶 彰さん(元園田学園大学教員)の司会で行いました。まず、ヘイトスピーチの模様を映像で見ることができました。昨年8月に国連人権差別撤廃委員会は、日本政府にヘイトスピーチを行う個人や団体について、「捜査を行い、必要な場合には起訴すべきである」と勧告しています。「『表現の自由』はあっても、表現の暴力の自由はあってはなりません。民族のアイデンティティを育む教育について、考え合いました。報告1は中村一成さん(ジャーナリスト)が「日本の『ヘイトクライム』―京都朝鮮学校襲撃事件について」を話してくださいました。差別が野放図に放置される日本で、中村さんの周辺の具体的な、それに抗する人々の真剣な運動、カウンターに参加する人々の心の傷など渦中から報告していただきました。報告2は李月順さん(関大講師)が「民族教育権について―戦後の『在日』の教育史の中から」を話してくださいました。ご自身の歴史から、「在日」をめぐる状況との格闘を話されました。また戦前戦後の在日に対する差別が、ヘイトクライムを生んでいる基盤であることを話されました。討議では差別禁止法について熱心な討議がされました。
 第39回は2015年3月8日、関西学院大学大阪梅田キャンパスで行われました。午前中、第Ⅰ部 講演として、鍛冶彰さん(元園田学園大学教員)の司会のもとで、太田恭治さん(“あとりえ西浜”主宰、花園大学非常勤講師)が「私が出会った部落の芸能 パート2」をお話してくださいました。太田さんには2013年12月に同じ演題で、多様な被差別部落の芸能の過去と現在についてお話しいただき、今回はその後半でした。午後には第Ⅱ部として、発題と討論「現代人権教育の課題」を、下橋邦彦さん(大和大学専任教員)の司会で行いました。まず、森 実さん(大阪教育大学教職研究センター教授)に、「道徳教育と人権教育」を話していただきました。ついで、杉尾 誠さん(堺市新浅香山小学校首席教諭)に「学校の荒れを人権教育の視点から克服する」を話していただきました。堺市は戦後60数年にわたる公立小学校の(児童による詩・作文・書・絵画の)創作作品集、月刊誌「はとぶえ」の発刊という全国的に稀有な教育活動をおこなっています。その中で、荒れていた学校をこの創作活動と並行して克服する取り組みをおこない、大きな実績をあげておられます。その実践報告をしていただきました。

2. ホームページ、Facebookについて
 2013 年3月25日にリニューアルしたホームページを開設し、主にイベントの案内や活動の報告をしてきました。「あゆみ」で2001年からの活動の概略を、「2012年度~2014年度活動」でその内容も確認できます。
また、2013年8月24日にFacebookも開設しました。当初は会員対象でしたが、2014年2月8日から「公開」としました。Facebookは容易に更新ができるため、よりタイムリーに情報を提供することができ、活動の雰囲気も伝わりました。
 ホームページ、Facebookともに、もっと皆様にアクセスをお願い致します。特に、Facebookは双方向の交流が簡単にできますので、会員間やそれを超えた人々との意見交換の“場”として活用できるようにしていきたいと考えています。


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