活動経過(2020年度はコロナ禍で度々企画が延期され実施できませんでした)

(1)2019年8月25日 研究会 報告
 「人権教育としての性教育~若者の性のつまずきの実態をふまえた、性教育のあり方を考える〜
(2)2021年4月17日 研究会(ZOOMオンライン) 報告
 「『見た目』をどう考え、どう取り組むか
(3)2021年6月13日 研究会(ZOOMオンライン) 報告
 「『見た目』をどう考え、どう取り組むか」(パートII)
(4)2021年12月12日 フィールドワーク 報告
  神戸ムスリムモスク見学会
(5)2022年3月26日 研究会(ZOOMオンライン) 報告
  人権教育の視点から取組む「デス・エデュケーション(死への準備教育)」は、どんな教育効果をもたらすか


8月25日 研究会

2019年8月25日 研究会

【案内文】2019.8.25 研究会のお知らせの詳細LinkIcon

テーマ:人権教育としての性教育~若者の性のつまずきの実態をふまえた、性教育のあり方を考える〜

○開催日  : 2019年8月25日(日) 13:00~17:00
○場 所 :  関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1004教室

性教育は、性についての責任ある選択ができる知識・スキル・価値観を身につけるための教育 です。人権教育と極めて親和性の高い教育で、暴力的な性関係から心身を守る力を育てること も非常に大きな課題となっています。 しかし、日本の小中高等学校において、そのような視点に基づいた実践がおこなわれている例 は極めて少ないのが現状です。
研究会では、大阪の高校現場から高校生達の性のつまずきと支援例を報告いただきます。 さらに、研究者から性教育の世界水準(ユネスコ等による「国際セクシュアリティ教育ガイダ ンス」)を紹介いただくととともに、それを日本の学校教育にどのように取り入れていくかに ついて問題提起をいただきます。

(1)問題提起

大阪府立高校養護教諭よりレポート「性につまずいた生徒への支援例」
(2)現状認識の共有

大阪府立高校養護教諭による対談「高校生の性のつまずきの実態と課題」
(3)実践報告
  ある高校の性教育実践の紹介
 (1年生夏休み前に、学年集会として実施する性教育プログラムと生徒の反応の紹介)
(4)質疑応答、意見交換
(5)研究者( 艮 香織 さん・宇都宮大学准教授)より問題提起
  「人権教育としての性の学びへ
  ~国際セクシュアリティ教育ガイダンスをどう活用するか?」

研究者のプロフィール
艮 香織(うしとら かおり)さん
宇都宮大学教育学部准教授
専門:性教育、人権教育、最近は戦争孤児の戦後史に取り組んでいる
“人間と性”教育研究協議会幹事
著書
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス-教育・福祉・医療・保健現場で活かすために』 (共訳、明石書店、2017)
『性教育はどうして必要なんだろう? - 包括的性教育をすすめるための 50 の Q&A』 (共編著、大月書店、2018)
『教科書にみる世界の性教育』(共著、かもがわ出版、2018) 『ハタチまでに知っておきたい性のこと』(共著、大月書店、2017)

【研究会の報告】
研究会は、40名近くの参加で、高校の教員をはじめ高校生2名の参加もありました。
まず、大阪府立高校の元養護教諭と養護教諭の3人の先生方から、高校生の実態や具体的な実践について報告がありました。
大人の想定を超える高校生達の実態がいくつか紹介されました。例えば、「望まない妊娠(本人は望んでいない)」という言葉がありますが、想定に反して、本人は望んでいるというケースも散見されるとのこと。すなわち、女子高校生の「望む妊娠」の実態がある。それは、彼の愛をつなぎとめ結婚に持ち込むために、妊娠を望むのであるが、ただ、そのモードで妊娠したとしてもその後の見通しは暗い。妊娠しても結婚に至るとは限らないし、結婚しても長続きしない可能性が高い。さらに、若年出産は母体にとってリスクが大きい・・・ということでした。
高校現場からの報告のあと、研究者の立場の艮香織先生から、「つまずきとは何だろうか?」「そもそも大人の学びも不充分なのではないのか?」「なぜ、日本の教育現場では扱いづらい状況がつづいているのか?」という点にも触れながら、国際セクシュアリティ教育ガイダンスの紹介やその活用について、お話を聞かせていただきました。
続いて、前に並んでいただいた4人の報告者と司会者(府立高校教員・小川隆史さん)を交えて活発な質疑応答や意見交流がなされました。
最後に、司会者から「高校生の感覚の背景にある社会の変化をていねいに分析する必要があるのではないのか、そこから、より効果的な『人権教育としての性教育』の、目標・内容・方法が見えてくるかもしれない」とまとめの言葉がありました。
現場の実践とその裏付けとなる研究者の知見の両方からお話が聞けて良かったという声が多く寄せられました。
発表していただいた4人の先生方、ご報告ありがとうございました。

IMG_0053.jpegIMG_0058.jpeg艮 香織 さんIMG_0057.jpegIMG_0033.jpegIMG_0018.jpeg司会者:小川 隆史 さん

4月17日 研究会

2021年4月17日 オンライン研究会

【案内文】2021.4.17 研究会のお知らせの詳細LinkIcon

テーマ:「『見た目』をどう考え、どう取り組むか

○開催日  : 2021年4月17日(土)14時30分~16時30分(入室は14時15分から)
○場 所 :  ZOOMオンライン

人や自分の容姿をさげすんで傷つけている、生徒・学生は少なくありません。統計では日本の少女(10~17歳)の93%が容姿に自信をもっていないとの報告があります。さらに、多数の教職員も同様であるように思われます。現在は、自身の「美しさ」の価値観を、流行や「世間」に惑わされて確立していない状況ではないでしょうか。
さらに、アルバイトや就職の際には、雇用者ばかりではなく、就職課の職員も差別的な態度を示す人もいます。社会の問題として、考え合うことが求められています。
2018年には、東京都墨田区議会では、当事者組織が要請文を出しています。それを受けて、区議会が国に就職差別禁止の意見書を提出しました。日本社会はようやく動き出したところです。
今回の研究会では、当事者の方からお話を聞き、一緒に学び合いたいと思います。
コロナ禍の中で、何度かこの企画を試みましたが実現できませんでした。今回、初めてZoomによるオンラインで研究会を開催することにしました。なお同一のものを、希望者の方には、後日YouTubeにて一定期間配信の予定です。
ぜひ、ご参加お願い申し上げます。

【第Ⅰ部】(14:30~15:50) 
報告「自由に働きたい」
藪本 舞さん(アルビノ・ドーナツの会代表・八尾人権協会・見た目問題相談センター相談員)
【第Ⅱ部】 (16:00~16:30)
質疑応答と意見交流

報告者のプロフィール
<藪本 舞(やぶもと・まい)さん>
先天性眼皮膚白皮症(アルビノ・アルビニズム)として生まれる。「見た目」の違いや、「アルビノ」のことへの無理解から、自身も就職活動で難航した経験を経て、2007年2月にアルビノの人たちの当事者グループである「アルビノ・ドーナツの会」を設立する。
アルビノの人たちや、その人と共に寄り添って暮らす人たちの交流会の開催、また他グループとのネットワークづくり、東京のアルビノの人たちのグループ「日本アルビニズムネットワーク」との連携も強めている。アルビノの情報発信や当事者同士の交流のためにこれまでに関西だけでなく、東北や九州等にも出向き、多くの交流会を開催。
また、交流会では集まりにくい若い人たち世代のイベント、「アルビノ甲子園」も開催。
自治体や学校・企業などで、「アルビノについて」「見た目問題について」「マイノリティーの孤立を防止すること」についての講演を行ったり、新聞やテレビ・インターネット・雑誌等のメディアの取材に対応するなど、啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

【研究会の報告(画像)】
藪本舞さん、ご報告ありがとうがございました。
初めてのZOOMによるオンライン研究会でしたが、20名を越える参加者がありました。
YouTubeによる後日配信(期限限定)もしました。



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6月13日 研究会

2021年6月13日 オンライン研究会

【案内文】2021.6.13 研究会のお知らせの詳細LinkIcon

テーマ:「『見た目』をどう考え、どう取り組むか(パートⅡ)

○開催日  : 2021年6月13日(日)14時00分~17時00分(入室は15分前から可能です)
○場 所 :  ZOOMオンライン

人や自分の容姿をさげすんで傷つけている、生徒・学生は少なくありません。統計では日本の少女(10~17歳)の93%が容姿に自信をもっていないとの報告があります。さらに、多数の教職員も同様であるように思われます。現在は、自身の「美しさ」の価値観を、流行や「世間」に惑わされて確立していない状況ではないでしょうか。
さらに、アルバイトや就職の際には、雇用者ばかりではなく、就職課の職員も差別的な態度を示す人もいます。社会の問題として、考え合うことが求められています。
2018年には、東京都墨田区議会では、当事者組織が要請文を出しています。それを受けて、区議会が国に就職差別禁止の意見書を提出しました。日本社会はようやく動き出したところです。
昨年来のコロナ禍のために研究会をもつことができませんでしたが、4月17日に Zoom による研究会を催すことができ、活発な意見交流がおこなわれました。今回は前回とペアの研究会で、今回も当事者の方からお話を聞き、一緒に学び合いたいと思います。
なお同一のものを、希望者の方には、後日YouTubeにて一定期間配信の予定です。
ぜひ、ご参加お願い申し上げます。

【第Ⅰ部】(14:00~15:40) 
 報告 その1. 朗読劇 『悪魔』

  いじめを受けた主人公と、いじめを行なったSの物語
    (河除の体験を基にしたストーリー)
   その2. お話 

『smiley tomorrow 笑顔の明日へ〜「見た目問題」当事者としての人生〜』

 河除 静香さん
   (『Smiley Tomorrow~北陸から「見た目問題」を考える~』代表)
【第Ⅱ部】 (15:50~17:00)
質疑応答と意見交流

報告者のプロフィール
河除 静香(かわよけ・しずか)さん>
1975年生まれ、富山県南砺市在住。「顔面動静脈奇形」という難病で生まれつき鼻と上口唇に変形があり、いじめ、差別、じろじろ見られる・・・などの「見た目問題」の当事者。
2011年に『Smiley Tomorrow ~ 北陸から見た目問題を考える ~』を立ち上げ、見た目に症状があることが苦にならない人生、笑顔の明日を目指して交流会やイベントを開催。2014年からは「見た目問題」を題材にした一人芝居を始め、その様子がメディアに取り上げられる。
現在は「見た目問題」当事者としての思いを伝える講演活動を各地で行い、その中で一人芝居もしている。活動のテーマは『幸せ発信』。

【研究会の報告(画像)】
河除静香さん、朗読劇とお話しありがとうがございました。
今回もオンラインで実施し、河除さんには、富山からご出演いただきました。
25名の参加がありました。
YouTubeによる後日配信(期限限定)もしました。


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12月12日 フィールドワーク

2021年12月12日 フィールドワー
【案内文】2021.12.12 フィールドワークのお知らせの詳細LinkIcon

フィールドワーク神戸ムスリムモスク 見学会

○開催日  : 2021年12月12日(日)

本会はかつて、生野コリアンタウンでのフィールドワーク、釜ヶ崎や若狭の原発での合宿フィールドワークを催したことがあります。実地の研修の体験は大きいものがありました。
今回は在日ムスリムの人々の声を聞く会です。私たちはイスラム教徒について、よく知りません。ムスリムの子どもたちが抱えている教育課題も知りません。
日本社会のムスリムの人々にたいする偏見は大きいものがあります。この会が在日ムスリム世界への正確な把握の第一歩になることを願って企画しました。
歳末のご多忙の中、寒い最中ですが、皆でご一緒に学びたいと思います。
ぜひ、ご参加お願い申し上げます。
スケジュール
11時半:JR三宮駅 中央口改札 集合 (阪急・阪神三宮駅下車)
12時~1時45分 : 神戸ムスリムモスク前のイスラム料理店
「Naan Inn」 で昼食
    1,000~2,000円の値段で各自注文してください。
     昼食を取りながら、簡単な打ち合わせをしたいと思います。
     直接、礼拝の見学から参加される方は、1時45分までに合流してください。
2時~3時 : 神戸ムスリムモスク で礼拝を見学
     日曜日は礼拝に訪れる人が多く、この時間を空けてもらいました。
2時20分ごろから1時間 : モスク内で1時間ほどモスクの方への質問会 
終了後、自由散会

神戸ムスリムモスク
神戸市中央区中山手通2-25-14  TEL.078-231-6060  三ノ宮駅から徒歩で15分
神戸ムスリムモスクは、1935年、神戸在住のトルコ人、タタール人、インド人貿易商らの出資により建てられた日本で最初のモスクです。その後、モスクは太平洋戦争時の空襲や1995年に起きた阪神大震災にも耐え抜きました。創建当時の建物が、現在まで残っています。

【フィールドワークの報告(画像)】
9名の参加でした。


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3月26日 研究会

2022年3月26日 オンライン研究会

【案内文】2022.3.26 研究会のお知らせの詳細LinkIcon

テーマ人権教育の視点から取り組む「デス・エデュケーション」(死への準備教育)は、どんな教育効果をもたらすか

○開催日  : 2022年3月26日(日)14時00分~16時30分(入室は15分前から可能です)
○場 所 :  ZOOMオンライン

「デス・エデュケーション(死への準備教育)」は、「死」を正面から見つめることで、命の尊さに気づき、限りある「生」をより良く生きることを目指そうというもので、日本では故アルフォンス・デーケン氏(上智大学元名誉教授)によって提唱されました。
現代社会において、死はタブー視されています。
多くの親や教師たちも、死をタブー視し、自分なりの死生観を持たないままでいます。
その結果、家族や友人の死に直面した生徒たちの多くは、誰から何の示唆も得られないまま、悲嘆と混乱の渦に放り込まれてしまうのが現状です。
今回の学習会では、人権教育の視点から死を正面から取り上げた、高校での教育実践の報告を受けます。
そして、国内外のデス・エデュケーションの実情の紹介のあと、参加者で自由に討論をおこないと思います。
「命を大切にしましょう」という徳目主義的道徳教育からのアプローチではなく、人権教育の視点からおこなわれるデス・エデュケーションは、生徒たちにどんな教育効果をもたらすでしょうか。
ぜひ、ご参加お願い申し上げます。
なお、後日YouTubeにて一定期間配信の予定です。
【第Ⅰ部】 (14:00~15:10) 
報告  高校での教育実践  〈 大阪府立高校教員 小川隆史 さん 〉
・ 余命を宣告された人や大切な人の死に直面した人たちの生き方を追う。
・ 余命宣告された人の心の内を想像する。
・ 親しい人を亡くした心の痛みは、どうやって癒やされていくのか。
    ・・・悲嘆のプロセスや亡くなった人と残された者の関係について考える。
【第Ⅱ部】 (15:20~16:30)
質疑応答と意見交流

報告者のプロフィール
<小川隆史(おがわ・たかし)さん>
1958年生まれ、1984年より、新設校において生徒組織、部落解放研の顧問を務めながら、 府立高校人権教育の草創期を担う。以来、人権教育・キャリア教育の実践を重ねるとともに、人権サークルでの生徒の育ちをサポートしてきた。大阪府立学校人権教育研究会(府立人研)や大阪府教育センターにおいて、他校の教員とともに人権教育・キャリア教育の教材開発にも携わってきた。近年は、LGBTQ生徒支援のテーマで、中学・高校の校内研修、府教員センターの研究フォーラム、大阪府の人権啓発担当者研修、大学での特別講義などで話をすることが多い。著書に「やってみよう!総合学習」(共著、解放出版社、2002 年)、など。現在、大阪府立柴島高校教諭。

小川隆史さん、報告ありがとうがございました。
今回もオンラインで実施しました。
13名の当日参加がありました。(後日配信を含めて24名の申込み)
YouTubeによる後日配信(期限限定)もしました。

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